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航空機内の宇宙線被曝について |
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■航空機内の宇宙線被曝について |
航空機というのは、暇なもので窓側の席に座らなければ景色さえ見えない。 キャビンアテンダントのつま先から頭の天辺までスタイルの良さも、立ち居振る舞いの優雅さも見飽きた。 上げ膳据え膳の大名気分のときもあるし、フォアグラのガチョウの気持ちも解かるときもある。 そこで、かねてから確認してみたかったテーマがあったので実施してみました。 航空機乗務員の宇宙線被爆について、実際問題としてどれ位の線量を受けるのか確認しました。 |
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ルフトハンザ航空0741便 2007/2/7 10:24 関西空港のエプロンに駐機中の放射線線量率0.10μSv/h これをパックグランド値としましょう。 |
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ルフトハンザ航空0741便 2007/2/7 20:40 水平飛行中 高度不明 放射線線量率4.06μSv/h |
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なるほど、 で、「全飛行航程でどうなのよ」と思いましたので、放射線医学総合研究所さんの航路線量計算システムで確認したところ、 飛行時期:2007年2月 出発空港:関西空港 到着空港:フランクフルト 飛行距離:9317km(5827マイル) 飛行時間:12:10 想定高度:10980m(36000フィート) 総実効線量:53μSv でした。 搭乗中は睡魔と同行二人でしたので、余りにも単純計算で恐縮ですが、 48.19μSv = (4.06μSv X 12.16時間) - (0.1μSv X 12.16時間) で、大体数値的には合っていると言い張ります。 精密に測定していれば、4.06μSvよりも高い値のときもあったかもしれません。 また、離着陸から水平飛行までの連続した計測は判りませんので悪しからずです。 飛行機に乗るだけで放射線ホルミシスの恩恵を少しは受けるか? 総線量が、53μSvとして、平均線量率は4.36μSv/h。 日常生活の自然放射線ではあり得ませんね。 私は一般公衆にグループされますので、 公衆の実効線量限度1mSvを厳守しようとすると、関西空港発フランクフルトの搭乗は単純計算で18回か。 出張で往復すると、年間9往復の出張しか出来ないのか。 で、航空機乗務員はどうなの? 「航空機乗務員の宇宙線被ばく管理に関するガイドライン」では、「航空機乗務員の被ばく線量管理については、事業者が年間5ミリシーベルトの管理目標値を設定し、乗務員各個人の被ばく線量を抑える努力を自主的に行うことが適切であること。」とされているので、関西空港・フランクフルトのフライトは年間94回まで出来る計算で、往復乗務で年間47回。 フランクフルト空港からザルツブルグ空港へのオーストリア航空の機上では、窓側の席だったので、ヨーロッパアルプスを眺めていて、放射線線量計測などスッカリ忘れていました。 子供か? オーストリア航空の機材は、主翼に大きな整流板があるジェット機で、非常にめずらしい飛行機でした。 CAに確認するとフォッカー何とかという飛行機で、現役で就航している機体は少ないとのこと。 怖い。 で、話を戻して、国内線では、どうなのよ。 航空機による宇宙線。 測ってみました。 2008/05/10 伊丹空港から福岡空港 全日空1637便 ポンバルディアDHC-8-Q400機 高知龍馬空港の一件は、忘れた振りをして搭乗。(全日空のパイロットには敬意を表します。) |
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全日空1637便 2008/05/10 9:18 伊丹空港 エプロン 放射線量0.14μSv/h ラジウム鉱石のサンプルを持っていたので少し高めです。 |
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全日空1637便 2008/05/10 9:44 水平飛行中 高度不明 放射線量0.58μSv/h プロペラ機なので、より低高度のため線量が低いのか? 太陽が元気が無いのか? しかし、1時間程度のフライトなので、この数字を乱暴に被曝線量とします。 それにしても低い値です。 |
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で、フォアグラのガチョウの気持ちを斟酌する時間 |
翼よ。 あれがザルツブルグの灯だ! |
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